恐竜は温血だったのですか?


最終更新日:2002/01/05


 温血の動物とは体温を一定に保つ特性を発達させた動物で、現在生きている動物では哺乳類と鳥類がいます。これらの動物の特徴として、運動や学習、感覚能力が発達していて、集団行動や育児行動など脳の発達があり、その反面摂取エネルギーの大半を発熱についやすために、冷血動物の10倍以上の食物と酸素が必要になります。

 恐竜が温血だったという説がありますが、白亜紀の恐竜、とくに肉食恐竜の仲間やカモノハシ恐竜、角竜などをみると、今まで考えられていたように鈍い動きの恐竜のイメージではなく、非常に活発に動いた動物と考えられ、また集団生活や育児行動もしていたと考えられることから、温血説がでてきました。

 ただし、冷血(変温)動物は温血動物よりもたいへん省エネルギーで、暖かい環境においては冷血や低代謝の方が有利な場合があり、また恐竜の脳の発達の程度などから、すべての恐竜が温血だったとは考えられません。

 現在、温血だと思われる恐竜は、獣脚類のマニラプトル形類に属する恐竜で、これらの恐竜は脳がほかの恐竜とくらべて大きく、鳥類と近縁で、おそらく鳥類と同じような生活ができたと考えられています。それ以外の恐竜は、おそらくすべて、冷血(変温)動物だったと思われます。


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