| 砂 漠 |
| 一夜あけて、天気は快晴だが、少し風があった。昨晩の羊のあまりのリブの生肉をおみやげにいただき、ポラロイドで記念撮影をして、お世話になったソガラ氏やゲルの家族と別れた。 午前11時、我々は南西へ進み、恐竜化石産地として有名なバヤンザクをめざした。車はピンクのジュウタンのような花畑のゴビを通り、家が数軒建ち並ぶ村に入った。しかし、人はいなかった。まるでゴーストタウンである。モンゴル人は家に住むことをきらい、みなゲルに住んで移動する。近くにあったゲルで道を聞き、西に向かう。今度はイエロー・ゴビの中を進み、山を登る。 山から下ってくると、地面に直径30メートルほどの穴のあいたところがあった。金鉱山が近くにあるらしいので、北側の黒い岩が出ている山地に入って行った。山では試掘用のボーリングの機械が稼働していて、白い石英の岩片が積まれていた。青いシャツを着た警察官もいたので、ここでは車から降りることなく通過した。 また、草原にもどり南西に向かうと、ゲルを新築しているところに出会った。この季節は、ちょうどゲルの新築の時期にあたっていて、前に遭遇したフェルトづくりもそのためである。まあたらしいハナ(材木を格子状に組んだ骨組み)でゲルのかっこうが組み立てられ、それぞれのつなぎ目に赤い紐がかけられていた。 さらに進むと、花崗岩が丸く頭を出している草原に羊の群れがいた。それを世話する牧人にバヤンザクまでの道をたずねると、その道はとても複雑だと言う。しかし、彼らは我々にバヤンザクまでの道案内人を紹介してくれた。 彼はバヤンザクの近くに住む獣医で、ちょうどこの近くに往診に来ていた。彼は彼のゲルに帰るので、我々の車に乗って彼のゲルまで案内をしてくれると言う。さっそく彼をジープに乗せて、起伏のあるゴビを全速力で南下した。 山地から平原に出たところで、半月形のサンド・デューン(砂丘)がいくつもある砂漠に出た。ゴビの上に、高さが10メートルで幅100メートルほどの砂丘がいくつもあった。砂丘の上には、さらさらした砂がきれいな風紋をつくっていた。 我々ははしゃいで砂丘に登り、風紋の上を歩いたり、ころげまわった。砂丘は、長い時間をかけてゴビの上を風によってだんだんと移動していく。ゴビの南では幅が200キロもある砂丘があるという。トゥンバイヤーは、若い頃に無茶をしてそんな大きな砂丘の中に車で入ってしまい、進むことも帰ることもできなくなったという話を私にしてくれた。 この南にあるゲルで獣医さんを降ろし、我々はバヤンザクの東にあるハシャトという白亜紀と古第三紀の地層の境界が見られるところに向かった。 |