ゴビの地質断面(7月20日)

コビの樹木

 バヤンザクを出発して、ガゼル(デュラン)が何頭も走るゴビを北西に進みました。

 シルル紀からデボン紀の山地を削る谷あいをぬけて、ムシュガイのレアメタル鉱床の見学をしました。ここは、ジュラ紀の貫入岩によりカーボナタイト型のレアメタルが生成しているところで、マグネタイトも伴われています。

 その東側のオルンオボートの金鉱山も見学したが、これらはこの地域の東西方向の構造線にそって分布しています。

 ランチはバヤンフォシュの川のあとの樹木の下でとりました。快晴で暑い天気でしたが、木陰には涼しい風もあり快適です。この木はオリヤース(ドロヤナギ)だそうですが、葉のついている下の高さがそろえられているのはラクダが葉を食べるためにそろっているのだそうです。

 近くにはポーランドから来た高校生のグループがキャンプしていました。


シルル紀から石炭紀の地質断面

 ランチの場所にはジュラ紀の玄武岩が分布していましたが、そこから北へやはり東西方向に連なる山並を南北に削る谷に入り、古生代の地層の見学をしました。

 ゴビの古生代の地層や化石については、ミンジン教授の専門で詳しく教えていただきました。山を削る谷には地層がほぼ連続して出ていて、私たちは北に進みながら、シルル紀の地層からデボン紀、そして石炭紀の地層までを古い順から見ていきました。

 モンゴルでも古生代の地層は海にたまった地層で、シルル系は砂泥互層で、下部デボン系は石灰岩で、下部デボン系はナッペ状にシルル系の上にのっていました。下部デボン系と中部デボン系は不整合で、不整合の上の礫岩の礫には下位の下部デボン系のサンゴ化石の礫が多量に入っていました。

 中部〜上部デボン系は凝灰岩や溶岩からなり、最上部デボン系は石灰岩、さらに下部石炭系のウミユリの化石が多量に含まれる石灰岩が上位に重なっていました。 


モンゴルの歌と無数の星

 地質の見学を終え、ソガラさんのゲルについたのは、午後7時すぎでした。モンゴルでは日本と実質時差が2時間もあるのに、夏の時期サマータイムを使っていることとから時差がないことと、北緯45度程度の緯度にあることから、日没が午後9時半前後です。

 夕食をすませて、日没後に恒例のファイヤーストームを囲んでのモンゴル−日本の交換会が行われました。馬の乳を蒸留したシミンアルヒを飲みながら、互いに歌や踊りで盛り上がりました。

 午後11時をすぎた頃に、ソガラさんのお母さんが孫たちを連れて現れました。ソガラさんのお母さんには日本からのおみやげを渡し、いっしょにきたオユンちゃんには井上くんからあずかってきたおみやげを渡しました。そして、ソガラさんのお母さんは、私に2匹目の羊をプレゼントしてくれました。

 立澤さんは、星を見るための双眼鏡をセットして子供たちに見せてあげていました。私も覗かせてもらいましたが、その星の多さには感動しました。肉眼でもミルキーウェイが見えるようなすばらしい星空ですが、重い三脚の上にセットされた双眼鏡を通した見た夜空には、本当に数えることが不可能なほど無数の星が見えました。


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