6. 古生物学と層位学の誕生 

 

 6-1.進化論の先駆者 ラマルク
 6-2.比較解剖学の父 キュヴエ
 6-3.層位学の父 スミス
 6-4.恐竜の発見
 6-5.地質学原理を著したライエル

  1. 古代の自然科学
  2. ルネッサンスと近代自然科学
  3. 近代自然科学の誕生
  4. 自然の認識と産業革命
  5. 水成論と火成論
  6. 古生物学と層位学の誕生
  7. 地球の歴史と生物進化

 



6-1. 進化論の先駆者 ラマルク

 18世紀後半になると,岩石や鉱物と同様に化石にも人々の関心が高まり,記述博物学のひとつとして化石植物・化石動物の図入りの著書が発行されるようになり,古生物学の基礎が築かれてきました。

 ラマルクは,1744年に北フランスの小貴族に生まれ,1788年に王立植物園の主任となり,フランス革命の後に設立された自然史博物館の動物学教授となりました。彼は動物を脊椎の有無で大別し,おもに無脊椎動物学の基礎を築きました。そして,パリ盆地の第三紀層に含まれる軟体動物化石の研究をして,絶滅した種と現生の種との比較研究をしました。

 彼は,この中で生物がしだいに進化して現在の種になったことを認め,進化論の先駆者となりました。彼の説いた進化の要因は,生命が必然的に進化傾向をもつことであり,さらに生活過程で獲得した必然的な形質が遺伝するといった,いわゆる「用・不用説」でした。彼の晩年は,無信論者の非難をうけ,不幸のうちに没しました。


6-2. 比較解剖学の父 キュヴエ

 キュヴエは比較解剖学の創始者と呼ばれる人で,1769年にフランス南東のモンベリアールに生まれ,ドイツのシュツットガルトに学び,フランス大学の教授,さらにフランス学士院の書記官,パリ大学総長になり,ナポレオンの信頼も厚かったと言われています。

 彼は,1808年にパリ盆地の第三系の層序を明らかにし,1812年の著書「骨化石の研究」で世界各地で発見された脊椎動物の化石を現生動物と比較して記載分類し,脊椎動物に関する古生物学の基礎を築きました。

 「骨化石の研究」の本の序論で,彼は激変説(転変地異説)を提唱し,突発的な激動によって海水の侵入があり,そのたびごとに古い生物が絶滅し,生き残った生物が移住して繁栄したとしました。そして,過去の激変の原因を現在の自然の作用からでは説明できないとし,激変の起こった時代を数千年前と考えていました。

 この考え方は,フランス革命やナポレオン帝国,その後の王政復古という激変の政治動乱を行きぬいて男爵までのぼりつめた彼の生き方に似ています。プロテスタントであった彼は,生物が進化することはまったく認めず,ラマルクやサン・チレールの進化論を徹底して攻撃しました。
 


6-3. 層位学の父 スミス

 ウィリアム・スミスは,キュビエと同じ年にイギリスのオックスフォード州で生まれ,測量技師として石炭運河の建設や農業改革の仕事を通じて,成層した地層の順番(層位)や特定の地層から産出する化石について調査し,それを体系化しました。

 彼は技師として地層と化石に接して,それらに大変興味をもち,それらを整理して層序表や地質図をはじめてつくりました。また,化石による地層の対比をおこないました。彼はその結果として1815年に「英国地質図」を完成させて出版しました。

 彼の層序の考え方や地質図の作成は,マーチンソンやセジウィックなどの地質学者に受け継がれ,現在の古生界の模式層序となったイングランドやウェールズの古生代の地層の層序区分や地質図がつくられました。


6-4. 恐竜の発見

 (準備中)


6-5. 地質学原理を著したライエル

(準備中)

 


7 地球の歴史と生物進化へ

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最終更新日:2000/05/06

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