グランシップ 
 ネリネア(中生代の巻貝)

最終更新日:2003/09/12

   



 
 ルディストと同じく中生代のサンゴ礁に栄えた生物にネリネアという巻貝(腹足類)があります。貝殻の軸と口唇に突き出したひだをもつもので、殻の断面でみるとその形が特徴的なので、種類が決められます。

 この化石は、日本では保存のよい化石があまり発見されないのですが、東静岡駅のグランシップの1階から2階へあがる階段と中ホール「大地」のロビーと階段にかけての壁と床に使われている大理石の中に多数発見できます。とくに、中ホールのロビーにある受付テーブルにはきれいなネリネアが数箇所で見られます。

 この大理石にはネリネアだけでなく、同じ時代のサンゴ礁の環境に生活していたイチエリアという巻貝やルディストとよばれる固着型の厚歯二枚貝の集合骨組み、カキの殻の化石なども入っています。

 ネリネアは全体に細長い形で、内部の構造は軸ひだが2本あり、外唇ひだと上唇ひだが各1本のタイプで、白亜紀のNeoptyxis 属の可能性が高いと思われます。殻に空洞のないタイプのルディスト(厚歯二枚貝)の骨格群集があることからも、中期白亜紀のサンゴ礁の石灰岩ではないかと考えられます。

 なお、グランシップの中ホール「大地」のロビーと階段は、通常は立ち入りができません。中ホールでなくても、入口ロビーと2階に上がる階段と2階の壁の一部でもきれいな化石はいくつか見ることはできます。しかし、ぜひとも中ホール「大地」の化石を見たいと思われる方は、中ホールでの一般イベントの機会かまたは管理団体に問い合わせてみてください。

グランシップの1階から2階の壁面などにみられるの巻貝などの化石断面

ネリネア(巻貝)の断面 ネリネア(巻貝)の断面
ネリネア(巻貝)の断面 イチエリア(巻貝)の断面
ルディスト(厚歯二枚貝)の集合 カキの殻と思われる化石




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